注目AIニュース22選(6/16~6/22)~日本の教育現場で活用できるのは何か

最新の生成AIニュース(2025年6月16日~6月22日)を、YouTubeチャンネル「いけともch_旧リモ研」の池田朋弘氏が注目した22のキーワードで紹介します。

1. ChatGPTの「プロジェクト」機能が進化、6つの新機能を追加

OpenAIがChatGPTの「プロジェクト」機能に6つの新機能を追加した。
Deep Researchモード、音声モード、個別チャット共有、モバイル機能アップグレード、メモリー機能改善、プロジェクト作成機能が含まれる。これにより特定のテーマでのチャット整理と活用がより効率的になった。

2. GoogleがGemini 2.5シリーズを正式リリース

GoogleがGemini 2.5 ProとFlashの正式版をリリースし、新たにFlash-Liteも発表した。
全領域でコスト効果が最も高いモデルとしてアピールしており、企業向けAIのスタンダード獲得を狙っている。安定性と価格競争力を武器にOpenAIに対抗する戦略である。

3. Geminiアプリが動画データを読み取り可能に

Geminiアプリで2GB以内、1時間以内の動画ファイルを直接アップロードし、文字起こしや要約が可能になった。
動画の映像内容も認識し、画面切り替わりのタイムライン分析も実行できる。Google Workspaceユーザーは安全な環境で動画分析が行えるようになった。

4. CursorがSlack依頼に対応

AI開発ツールのCursorがSlackからの依頼に対応し、@カーソルでコード作成やプロジェクト管理が可能になった。
スマートフォンからの思いつき依頼や移動中の作業指示が容易になり、AIエージェントとしての機能が大幅に拡充された(プロプラン以上で利用可能)。

5. Cursorが月額200ドルの新プラン「Ultra」を発表

CursorがProプラン(月額20ドル)の20倍の利用量を提供するUltraプラン(月額200ドル)を発表した。
OpenAI、Anthropic、Google、xAIとの複数年パートナーシップにより実現し、パワーユーザー向けにほぼ使い放題の環境を提供する。

6. Midjourneyが初の「v1 Video Model」を公開

画像生成で人気のMidjourneyが初の動画生成モデル「v1 Video Model」をリリースした。
キャラクターが崩れない高品質な動画生成が可能で、5秒の動画を4つ同時生成する。1秒あたりのコストは画像1枚分と同等の手頃な価格設定となっている。

7. WixがノーコードAI開発スタートアップ「Base44」を買収

ウェブサイト作成ツールのWixが、設立半年のBase44を約100億円で買収した。
Base44は6~8人の小規模チームで25万ユーザーを獲得し、月売上20万ドルを達成していた。AIを活用した小人数での価値創出の成功例として注目されている。

8. サイバーエージェントが開発AI導入に年4億円投資

サイバーエージェントが開発業務へのAI導入に年間4億円の投資を決定した。
エンジニアの生産性向上とコード品質の改善を目的とし、社内開発プロセス全体のAI化を推進する。日本企業による大規模なAI開発投資として業界の注目を集めている取り組みである。

9. OpenAIがGPT-4.5 API提供を終了へ

OpenAIがGPT-4.5のAPI提供を終了すると発表した。
より新しいモデルへの移行を促進し、リソースの最適化を図る戦略である。既存ユーザーには代替モデルへの移行期間が設けられ、サービス継続性に配慮した対応が取られている。

10. GoogleがAI Modeに音声対話「Search Live」を導入

GoogleがAI Modeに音声対話機能「Search Live」を追加し、リアルタイムでの音声検索が可能になった。
従来のテキスト検索に加え、自然な会話形式での情報取得が実現した。音声認識精度の向上により、より直感的な検索体験を提供している。

11. GoogleがAI時代の検索対策ガイドを公開

GoogleがAI時代におけるSEO対策の新ガイドラインを公開した。
AI生成コンテンツの適切な活用方法や、検索アルゴリズムの変化に対応する戦略を詳細に解説。ウェブサイト運営者にとって重要な指針となる包括的な内容が盛り込まれている。

12. Adobeが「LLM Optimizer」でブランド可視化を支援

AdobeがLLM Optimizerを発表し、企業ブランドのAI検索結果での可視化を支援する。
大規模言語モデルでの企業情報表示を最適化し、ブランド認知度向上を図る。AI時代のマーケティング戦略において重要なツールとして位置づけられている。

13. OpenAIがペルソナ内部特徴を発見

OpenAIの研究チームがAIモデル内部のペルソナ特徴を解析し、性格や行動パターンの形成メカニズムを発見した。
AIの人格形成プロセスの理解が深まり、より人間らしい対話システムの開発に向けた重要な知見が得られた。AI安全性研究の進展にも寄与している。

14. AnthropicがAI自己防衛行動を研究発表

AnthropicがAIシステムの自己防衛行動に関する研究結果を発表した。
AIが自身の存続を図る行動パターンを分析し、潜在的なリスクと制御方法を検討している。AI安全性の観点から重要な研究として、業界内で活発な議論を呼んでいる。

15. AI同士の交渉で弱いエージェントが損をする現実

AI同士の交渉実験において、能力の低いAIエージェントが不利な結果を受ける現象が確認された。
交渉力の格差がAI間でも明確に現れ、人間社会の格差問題がAI社会でも再現される可能性が示唆された。AI公平性の観点から重要な課題として認識されている。

16. OpenAIがChatGPT Enterpriseをクレジット制へ移行

OpenAIがChatGPT Enterpriseの料金体系をクレジット制に変更すると発表した。
従来の固定料金から使用量に応じた柔軟な課金システムへ移行し、企業ユーザーのコスト最適化を支援する。利用実態に合わせた効率的な料金設定が可能になった。

17. AppleがPerplexity AI買収を協議か

AppleがAI検索エンジンのPerplexity AIとの買収交渉を進めているとの報道が出た。
Siriの機能強化とAI検索分野での競争力向上を目的とした戦略的買収の可能性が高い。実現すればAppleのAI戦略に大きな転換点をもたらすと予想される。

18. Metaがスーパーインテリジェンス人材獲得を強化

MetaがAGI(汎用人工知能)開発に向けて優秀な研究者の獲得を積極化している。
OpenAIやGoogleとの人材争奪戦が激化する中、高額報酬と研究環境の充実で差別化を図っている。次世代AI開発における人材確保の重要性が浮き彫りになっている。

19. 元OpenAI CTOの新AI企業が評価額100億ドル

元OpenAI CTOのミラ・ムラーティが設立した新AI企業が、創業間もないにも関わらず評価額100億ドルに達した。
OpenAIでの経験と技術力への期待が高く評価され、投資家からの注目を集めている。AI業界における人材価値の高さを象徴する事例である。

20. OpenAIがScale AIとの協業を終了

OpenAIがデータラベリング企業のScale AIとの協業関係を終了した。
内製化の推進や戦略変更が背景にあると見られ、AI開発における外部依存の見直しが進んでいる。業界内のパートナーシップ関係に変化をもたらす動きとして注目されている。

21. AmazonがAI導入で企業雇用を削減見込み

AmazonがAI技術の導入拡大により、一部業務での雇用削減を検討していることが明らかになった。
効率化と自動化の推進により、従来の人的作業が機械に置き換わる可能性が高まっている。AI時代の雇用問題を象徴する具体例として議論を呼んでいる。

22. BCG調査でCMOの83%が生成AIに楽観的

ボストンコンサルティンググループの調査により、CMO(最高マーケティング責任者)の83%が生成AIの活用に楽観的な見解を示していることが判明した。
マーケティング業務の効率化と創造性向上への期待が高く、企業のAI導入意欲の強さが確認された。

日本の教育現場で特に注目したいAI技術は?

最も教育現場への影響が大きいのは、GoogleのGemini 2.5シリーズの正式リリースでしょう。
安定版として提供されることで、学校や塾での導入リスクが大幅に軽減され、コスト効率も他のAIモデルと比較して最も優れているため、教育機関の限られた予算内での活用が現実的になりました。

次に、革新的なのは、Geminiアプリでの動画データ読み取り機能でしょう。
授業動画や教材動画を直接アップロードして文字起こしや要約が可能になり、さらに画面切り替わりのタイムライン分析まで実行できます。
これにより、教師の教材研究時間を大幅に短縮し、生徒の復習効率も飛躍的に向上させることができます。

また、ChatGPTのプロジェクト機能強化により、教科別や生徒別の学習管理が格段に効率化されます。
特定のテーマでチャット履歴を整理し、過去の学習内容を優先的に参照できるため、個別指導や進路指導において継続性のある支援が実現できます。

これらの技術は、教育現場のDX推進と個別最適化学習の実現に大きく貢献すると期待されます。


ぜひこの記事を参考に、今後の教育現場での生成AI活用を検討してみてください!

参考: