AIチューターが24時間質問対応!河合塾Oneが学習塾向けサービスを提供開始~現場の人手不足解消へ

教育現場における深刻な人手不足が社会問題となる中、画期的なソリューションが登場しました。

株式会社河合塾Oneは、今年6月1日から学習塾向けの新サービス「Manabie AIチューター」の提供開始を発表しましたが、その内容や今後の可能性はいかに――。

【記事の要約】
河合塾グループの株式会社河合塾Oneは、2025年6月1日から学習塾向けの新たな教育サービス『Manabie AIチューター』の販売を開始した。
このサービスは、昨今の学習塾が抱える深刻な講師不足や教務担当者不足という経営課題を解決するために開発された画期的なソリューションである。

『Manabie AIチューター』は、オープンAIのChatGPTをベースとする最新の生成AI技術を活用し、生徒からの質問に24時間リアルタイムで対応する。
教科書やプリント、入試問題などの写真を撮影するだけで、AIが瞬時に解答とそれを導くためのステップを段階的に解説する仕組みとなっている。

同サービスの正答率は極めて高く、大学入学共通テストレベルでは93%、国公立大学二次試験レベルでは東京大学理科三類の合格ラインを突破するという実証データが示されている。
対応教科は数学を中心としつつ、英語、理科、社会、情報、小論文等の全教科をカバーし、推薦入試対策にも活用可能である。

特に注目すべきは、生徒の理解度に合わせた個別指導が可能な点と、管理者モードにより指導者が生徒の学習状況を把握できる機能である。
月額1,900円(税抜)という価格設定で、全国の中高生対象の学習塾に提供される。
(出典元:2025年6月2日 PR TIMES、同3日 こどもとITより)

今後の学校教育への活用と可能性は?

このAIチューターシステムは、学校教育においても革新的な変化をもたらす可能性があります。

まず、教員の働き方改革に大きく貢献できるでしょう。
質問対応や添削業務をAIが担うことで、教員はより創造的で人間らしい教育活動に集中できるようになります。

個別最適化された学習支援の実現も期待されます。
生徒一人ひとりの理解度に応じた解説により、従来の一斉授業では困難だった真の個別指導が可能となります。
特に、地方の学校や専門科目の指導者が不足している分野において、教育格差の解消に寄与する可能性が高いです。

将来的には、AIチューターが教員と協働する新しい教育モデルが確立されるでしょう。
AIが基礎的な知識習得をサポートし、教員が批判的思考力や創造性の育成に専念する役割分担が実現すれば、より質の高い教育が提供できます。
また、24時間対応という特性を活かし、生涯学習社会における継続的な学習支援ツールとしても発展していくことが予想されます。